手放しは信頼と愛情の証

こんにちは。

カウンセラーの椙山眞伍ヤタです。

 

今日のこのブログ記事は、公式LINEに登録してくださっている皆さんだけ限定公開しています。

(今後は一般公開するかも知れませんけど)

 

今日の「手放しとは愛の証」というテーマ。

こちらは、久しぶりにヤタの実体験のお話です。

突然ですが…

8,620,000円というこの金額。

実は、私が支払いました娘に対しての養育費の金額です。

2012年の秋から、昨日までに約10年に渡って支払ってきました。

2013年に離婚裁判の判決からですから、本当に長い年月でしたね。

まぁ「養育費を支払うのって当たり前じゃん!」と言われるとそうなんですが、払い終えるまではそれなり苦しい年月だったんですね。

辛かったのは、養育費の金額ではありません。

1番辛かったのは、娘と逢えなかったこと。

元嫁主導では、結局、1度も会わせてもらえませんでした。
(判決では、月1回の面会をみとめられていたんですけどね)

それが嫌ならば、離婚しなきゃいいじゃんというのもわかりますけど…。

離婚を選択したのは、もちろん私ヤタですから、まぁ自業自得と言えばそうです。

 

そんな中でも、娘が自分を探して逢いにきてくれたことは、本当に嬉しいできごとでした。

娘の誕生日にアフタヌーンティーを2人で楽しんだことは、今でも本当に宝物のような時間です。

ただ、そんな夢のような時間は長くは続かず、娘と繋がっていたSNSは全て削除されてしまい・・。

今、現在では娘とは連絡を取ることも、会うこともできません。

(流石に当時は、落ち込み苦しかったですね)

 

特に最近の数ヶ月は、会うことも連絡も取れないのに、お金を毎月支払う。

この養育費の支払いに、理不尽さや割り切れない気持ちを感じていました。

(養育費は子供の権利です!という、議論は求めていませんので悪しからず)

気持ち的に支払えない月もあり、次の月にまとめて支払うなど、何とか不払いだけは防いでいました。

そんな中で、ふと思ったんですね。

「こんな気持ちを毎月、毎月、感じてしんどいのならば、残額を一括で支払おうかな」って。

ちょうど今年の秋で、成人を迎えることもあり、タイミングかなと思った訳です。

そうは言っても、それなりの金額がまとまって必要ですから、そこは妻にも相談しました。

妻は私の話を聞くと「そのほうがいいんじゃない」とあっけらかんと答えてくれたので、結果的には一括で、支払うことになったんですね。

(こういう時の軽さというのは、逆に本当に助かります)

 

そして、とうとうその日が来ます。

出張から帰宅して、少しのんびりした後に、スマホのオンライン口座を準備して、相手側の口座に残りの養育費の金額を打ち込みます。

スマホの画面が「こちらの金額でよろしいですか?」と表示されます。

後はボタンを押すだけで、自分の父親とのしての役割は一旦終了。

でも何故か、ボタンを押す指が躊躇し止まります。

スマホの画面を見ていたら、今までの出来事が蘇って…。

・自宅のローンと、初めて別居した部屋の代金でクレジットカードで自転車操業したこと。

・お金がなくて外食できず、毎日、昆布のおにぎりを自炊して、職場で食べていたこと。

・暖房器具が買えずに、部屋の中でダウンジャケットを着ながら生活したことなど

今、思えば本当によく頑張ってきたよなーって、思います。

もちろん、色々な場面で奇跡的なことも起きたんですけどね。

そんなことを、幾つも思い出しながら、スマホの画面の「完了する」のボタンを押します。

画面に出る「振り込みました」の文字。

 

終わった…

自分自身がやれること、全てやり切った。

そんな、達成感が湧いてきます。

 

でも、何故かスッキリとはしないんです。

ずっとモヤモヤが残っているんですね。

そのモヤモヤを放置して、日常生活に意識を戻していきます。

妻に「ようやく終わったよ」と話すと「凄いね」と承認してもらったのですが、ふと自分が通算でどのくらい支払ったのか?が気になったんですね。

 

それで、調べてみようと思い、ある箱を開けます。

その箱は、当時の裁判の資料や書面、面会交流の調停の資料などが入っている箱。

箱を開けて、裁判資料を引っ張り出して確認すると、箱の中にある袋やクリアケースが目に留まります。

この袋やクリアーケースの中身は、何が入っているかは気がついていました。

でも、ずっとずっと、気がつかない振りをしてきたんです。

その中身をみてしまったら、自分があの当時に戻ってしまうから。

心の奥底に鍵をかけていた、父親としての娘の思いが蘇ることをずっと避けてきました。

でも、何故か養育費の支払いが終わった今夜は、その封印した袋を、開けてみようと思ったんです。

 

その袋の中身は、離婚当時や離婚成立前に面会した時の娘との写真や手紙など、思い出の品が入っていました。

袋を開けると、子供時代の娘が笑っている写真や、2人でのツーショット。

娘がメモ帳にした落書きや、自分に書いた覚えたてのひらがなで書かれた手紙。

その手紙を1文字、1文字、読んでいきます。

「パパにあいたいです」

「パパがんばってね」

「パパもからだにきをつけてね」

直筆で書かれた、娘の純粋な想いを文字から感じると、涙が止まりませんでした。

(出せなかった娘への手紙の返事がありました)

写真の中で笑う娘の顔。

この笑顔を1番近くで見ることが出来ない後悔。

娘の想いに応えられずに自分を優先したこと。

娘への沢山の想いが、湧き出てきます。

違う袋からは、渡せないままのお土産の数々。

20才の娘には到底小さくて着れない、ジュニアサイズのTシャツ。

沢山のお守りや、娘が好きだったキーホルダー。

この箱の中だけは、ずっと時が止まっていたようでした。

それらの写真や手紙を見ながら、頬を伝わる涙。

写真や手紙が伝えてくれる、沢山の言葉にできない思いを感じます。

淋しさ、悲しみ、割り切れない思い、後悔やそれでも前に向こうとする強さ、そして愛情。

何年もの間、この箱の中だけは親子の時間が流れていたのでした。

それが、たとえ離れ離れになっていても・・。

 

この涙の意味がこの時には、よくわかりませんでした。

でも、このままにはせずに、最後まで向き合わないといけないって感じたんです。

私はこの涙の意味と感情と向き合うべく、目を閉じて感情を感じます。

(ここからは、私のイメージの中でのお話になります)

 

目を閉じていくと、目の前には娘が立っていました。

その娘の姿は、最後に逢ったアフタヌーンティーの時の娘。

離婚当時の幼かった写真の娘ではありません。

娘は女性となり、1人立っていました。

娘は私の顔を一度しっかりとみた後、クルッと振り返り私に背中をみせます。

あれだけ一緒に居たかった娘。

その娘の背中が目の前にあるのには、私は何もしてはいけない。

もう触れてはいけないと思いました。

そう、娘からの卒業です。

それは「手放し」と言っても良いかも知れません。

 

娘は背中を向けて、まっすぐに歩き出します。

娘の背中が少しずつ小さくなっていきます。

ずっと自分自身の人生をかけて、守らなきゃって思ってました。

絶対に何かあったら駆けつける!って。

その繋がりを切らないために、養育費という繋がりを作っていました。

でも、もう養育費という繋がりはありません。

私は娘に対して、本当に何もすることができません。

それは、背中を向けて歩いていく姿を見送るしかできないように…。

私は一度だけ大きな声で娘の名前を呼びます。

「あきー!(仮名)」

娘はその声に反応して、振り返り私の顔をみるとまた歩き出します。

「もう、自分には何もできない…」

父親としての役割を手放した瞬間でした。

沢山の涙が出ます。

泣いても泣いても、止まりません。

娘の姿が見えなくなります。

そして、私は娘を見送り私も背中を向けて歩き出します。

涙を流しながらも、前に前に…。

自分の人生を歩き出します。

そして、ゆっくり目を開けます。

 

離婚の時に手放した娘は、小さな子どもでしたが、2度目の手放しは大人の娘に成長していました。

もちろん、娘の父親は世界で私だけですから、父親ということは変わりません。

でも、私にとっての養育費とは、娘との最後の繋がりでした。

ここから先は、私と娘は大人同士の対等な関係です。

お互いの意志の元に人生を歩き、娘は自分の人生を選択する権利があり、私も同じ権利があります。

もし再会することがあれは、偶然かお互いの意志の元になるでしょう。

長くなりましたが、最後まで読んでいただきましてありがとうございました。

ご感想があれば、ぜひLINEのメッセージでお待ちしておりますね。

それでは。。

 

※※

これを読んで「手放し」について、もう少し学んでみたい方。

何かを手放したい方は、こちらの心理学講座にお越し下さいね。

(最後にステマです笑)

娘への役割を手放したばかりのヤタが、皆さんにお伝えします!

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