【野良猫男子のリアル恋愛ストーリー7話】自由と見捨てられ不安の闇
こんにちは、パートナーシップ(恋愛・夫婦)専門カウンセラーの椙山眞伍(ヤタ)です。
しばらく間が空いてしまった「野良猫男子のリアル恋愛ストーリー」ですが、今日はこちらの続きを書いていこうと思います。
前回の記事はこちらから
今回は、覚悟の無いままに、彼女への離婚の意思をアピールする為に、離婚調停をした所からの続きになります。
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離婚調停が不調に終わり、別居条件だけを決める事になり、正式に私はワンルームの部屋を借りて、マイホームから1人で住むことになりました。
「1人になることが怖い」とあれだけ思っていたのに、人生で初めての1人暮らしは、とても快適で、ワンルームの部屋なのに「おおー広い!!︎」と思わず声が出てしまうほどでした。
彼女には、自分の罪悪感も有りましたが、このワンルームの部屋を、誰にも知られたくない気持ちから、教える事はしませんでした。
ワンルームでの生活は、料理は高校時代に仕出し料理屋でバイトしていたこともあって、大好きでしたし、掃除や洗濯などは、元嫁との生活で叩き込まれたので、人並み以上にこなせるので、全く困ることは、ありませんでした。
しかしながら、1つだけ困ったことがありました。
それは「お金」です。
この時の私のお給料は、支給された時点でマイナスでした。
・自分のマイホームのローン
・元嫁への生活費(別居調停で決まった金額)
・ワンルームの家賃
・自分の生活費
こんな感じでしたので、貯金どころか、通帳の減っていく残高を見ながら「ああ。今月もなんとかしなきゃな」と呟きながら、必死にやりくりをしていました。
普通に生活しては、直ぐに回らなくなってしまうので、クレジットカードを何枚も使って、支払いの度に、銀行の口座から引き出して、また入金して、また引き出して、入金するという、自転車操業で、生活をしていました。
それでも、自分さえ我慢すれば、なんとか生活が回るし、自由という快適さが、貧乏時代の自分を支えてくれました。
この時期の生活が、あったので「人生なんとかなる」ってことが、腑に落ちたと思います。
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この時期は、生活に余裕が全く無かったので、彼女と逢う時も、贅沢に外食などは、なかなか出来ませんでした。
書き忘れてしまいましたが、彼女とは調停が始まる前から、身体の関係を持つのを止めていました。
それは、2人共に身体の関係を、続けていくのに「罪悪感」を感じていたので、どちらが言い出したということも無く、2人で合意した感じです。
彼女とは、同じスポーツの趣味でしたので、2人で練習をしたり、大会に参加したりしながら、過ごしていました。
この間も、勿論ですが私の彼女への支配は変わりません。
朝起きて、彼女が車で出勤する、車内の僅かな時間でも、見捨てられる不安から電話。
彼女の昼休みも、LINEやメールのやり取り。
仕事中でも、LINEやメール。
帰宅中の車の中でも電話。
帰宅した後も、電話をして、寝る前も電話。
とにかく「どこか見張っていないと、こいつも自分を見捨てるはず!!」という、前提から、信頼することは出来ずに、見張るしかありませんでした。
その行為こそ、自分が元嫁から逃げだそうと思った原因だということにも、気がつきませんでした。
自分で振り返ってみると、完全に癒着している状態で、彼女と私の境界線が全くありません。
関係性で言えば、異常です。
彼女も、本当に1日中、私の監視の目の中にいるので、とても苦しいと思うのですが、私と同じような、依存状態だったので、お互いにこの状態に納得していたと思います。
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別居という時間は、自分と向き合うことで結婚生活を振り返ったり、自分はどうしたいのか?を考える為に、するものだと思います。
しかしながら、1人で暮らしに慣れてくると(実際には1人では無いですが…)元嫁の鳥カゴに戻るという選択ができなくなってきます。
一言で言えば、この生活が自由でいいのです。
そりゃ、そうですよね。
美味しいとこ取りですから。
どんなにお金に困っても、どんなに貧乏でも、自分の好きな事を、誰にも文句を言われずにできるという事が、こんなにも心地よく感じるなんて、自分でも驚きでした。
今から思えば、自分の意思で決断するということが、子供時代から、全くなく、常に誰かの顔色や雰囲気を伺って、自分の意思を後回しにしていた人生でしたから…。
春から始まった、ワンルームでの別居生活は、元嫁の監視や干渉もなく、彼女とは罪悪感を感じながらも「身体の関係が無いのだから…」という、大義名分のもとに、一緒に過ごしていました。
そんな「罪悪感」を感じながらも、別居中ということも、どこか他人事に、なりながら生活していたある日に、またもや私は自分の中の悪魔に負けてしまいます。
それは、別居して1年が経過するかしないか?ぐらいの時でした。
私は彼女と一緒に、とあるテニスサークルに参加していました。
そこのテニスサークルでは、様々なレベルの方が和気藹々とテニスを楽しんでおり、その中に、偶然にもテニス界隈では、名前の知れた男性がいました。
その男性は、かなりの有名な選手で、独身者の余裕の雰囲気を感じます。
元々、私は、自分の自己価値を上げる為に、テニスに打ち込んでいたので、テニスが上手い=価値がある人という認識でした。
そんな、自分の思い込みから、その男性は特別な価値がある人と思っていました。
自分の中の悪魔が、ふと、こんなことを、思いつきます。
「彼女に彼を紹介してみて、自分から離れていくか、試してみろ!」
なんとも恐ろしい自分の中の悪魔の提案でした。
しかしながら、女性が信用できない私は、この誘いに乗ってしまいます。
そう。
どうせ、最後は離れて行くと思っていましたから…。
彼女に話します。
私「あのさ、△△さんと一緒に大会とか、出てみたら?」
彼女「えっ⁇別にいいよ。」
私「でも、一緒に組んでもらったらいいじゃん」
彼女「だから、いいよ。もう。」
私「独身者って聞いてるし」
彼女「はぁ?何言ってるの?」
私「まぁ、いいから。聞いてくる」
彼女「もう、止めてよ!!」
サークルの代表者の方に
私「すみません。あの、〇〇ちゃん(彼女の名前)が、△△さんと一緒に試合に出たいから、連絡先を交換したいみたいなんですけど。」
代表者の方「あっ、そうなんだ。じゃあ、プライベートな事だから、本人に聞いてみるね」
私「わかりました。」
代表者の方「〇〇ちゃん、教えてくれるって言ってるから、ちょっと来てくれる⁇」
彼女「あっ、はい。」
連絡先を交換している様子
代表者の方「じゃあ、試合で勝てるといいねー」
彼女「ですね。じゃあ、また連絡します。」
こんなやり取りをして、連絡先を交換していましたが、彼女は私に対して、怒りを珍しく出していました。
私は、2人のやり取りを遠目に見ながら、どこかでホッとした感じを感じていました。
それは、過去に付き合ってきた彼女に対して、行なっていた、愛情を試す行為の時に感じる感情と全く同じでした。
※※※
この出来事から、数日経ってから、彼女にその後のことを聞いてみます。
私「あのさ。〇〇さんから連絡きたの?」
彼女「うん。きたけど。」少し怒り気味
私「ふーん。それでどうすんの?」心の中は不安や疑いでいっぱいです。
彼女「別にどうもしないけど・・。」
私「あっそう。」
彼女「あのさ、貴方のわがままで、周りの人達を巻き込むの止めてよ!!マジでウザいし、迷惑なんだけど」
私「迷惑かな?」
彼女「迷惑じゃん。そんなこともわからないの??」
本当のことを言えば、自分でも迷惑をかけていること、理解していました。
でも、自分のことなのに、自分の心の衝動を止めることができないのです。
自分の好きな彼女を、違う男性に紹介するという、私に取っては傷つくことしか、メリットにならないことをして、自分で自分を傷つけているのです。
そして、遂に彼女の口から、恐れていたことを聞くのです。
彼女「私さ、本来ならば独身なんだし、好きなことしても、いいんだよね」
自分で自分に言い聞かせるように話します。
彼女「実は〇〇さんと2人で飲みにいくことになったよ」
私「えっ??なにそれ?何で勝手に決めてんの??どうしてそうなったの?」
「誘われたの??」
彼女「勝手に決めるも何も私は独身なんだから自由だよ。私から飲みに行きませんか?って誘ったの」
私「何だそれ!!断れよ!!」
彼女「はぁー??嫌だよ。散々、周りを振り回し過ぎだよ」
私「とにかく断れ。行くな」
彼女「それは無理だよ。そもそも、貴方が連絡先交換なんてさせるからこうなるんでしょうよ。自業自得だね。」
「それじゃ、○○日に行ってくるから。じゃあね」
そう言って、彼女は自宅に帰って行きました。
私の心の中は、胸の心臓を素手でギューッと、思いっきりわしづかみにされるくらいの痛みと、また自分の目の前から、自分の愛する人が、居なくなる恐怖を感じながら、震える手でタバコを吸いながら、自分の取った行動を後悔していました。
自分で自分を心から嫌悪し、見えないナイフで自分自身を、何度も何度も刺し殺していました。
長くなったので、今回はここまでにします。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
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自作自演のピエロの悲しみ Vol8